渡航体験記Vol.59(立命館大学3年Mさん)

―体験記をご覧の皆様へ―

「舟」を意味する SHIP。それぞれの文字が、「SHIP」に参加するにあたり意識すべき行動規範を指しています。

SHIRU ~世界を、自分を、「知る」機会~ 

HARD ~ビジネスのリアルな厳しさ~ 

INFLUENCE ~世界に「影響」を与える体験~

 POTENCIAL ~切り拓く自らの「可能性」~

SHIP に参加する渡航者はこれらの行動規範に沿った目標とそれを達成するための具体的な目標を立てます。これらを頭に入れて頂いた上で読んでいただくと一層渡航者のリアルな体験が感じられることと思います。

✓ 学年:3 年生

✓ 渡航時期:2018 年 Q3 10 月~12 月

✓ 渡航期間:2 ヵ月

✓ はじめに

~目次~

✓ SHIRU ~自分の強み・弱みの言語化~

✓ HARD ~インドで仕事をする難しさ~

✓ INFLUENCE ~この言葉を使うならそれ相応の覚悟を~ ü POTENTIAL ~英語は向き合わない限り何も成長しない ~ ü SHIP で得られた能力

✓ インドア人間がちょっぴりアウトドアに

✓ おわりに


■はじめに

こんにちは。立命館大学 3 回生のM です。私はハイデラバード店の店長として 2 ヶ月間渡航を経験しました。

3 回生のこの時期に 2 ヶ月間も海外インターンって、就活大丈夫なのか?と疑問に思

った方もいるかと思います。はい、大丈夫ではないです。しかし、就活の大事な 2 ヶ月間を失ってでも、本当に貴重な経験をさせていただいたなと思っています。

まず、私がこの SHIP に参加することになった背景からお話しようかなと思います。就活という人生を大きく左右する可能性がある大事な時期を迎えるに当たって、私は自分の中で”これだけは自身持って頑張った”と言える経験がありませんでした。このまま就活を進めてもうまくいかないんじゃないか、夏選考に落ちまくったし、今のままでは秋の選考でも同じなのではないか、等様々な漠然とした不安がありました。そんな時に、現在インド事業部 SMG の方からの一本の電話が。

―SHIP 参加してみない?―

ただ、根拠もなく悩んでいた時にこんな電話がかかって来て、気づけば行きますと勝手に言っていました。こんなよくわからない勢いだけで私は SHIP の参加を決めました。

今思えば SMG の方には感謝しかありません。

しかし、海外志向も全く無く、ましてや今回のインドが初海外。また、英語能力は 0 に等しかったです。結果から言ってしまえば、インドという環境にはあまりなれることもなく、文化の違い等も正直辛かったです。また英語もボロボロでした。こういったパターンの人間もいます。皆さんにはそう言う人もいるんかと思ってもらえればいいかなと。また、就活のこの時期に行くに値する経験だったのか、と言う視点でこの体験記を読んでいただいて、同じ境遇の方の参考になればなと思います。長いので時間があるときにでも読んでみてくださると嬉しいです。


全店旅行@ゴルコンダフォート



■SHIRU ~自分の・弱みの言語化 -

この海外インターンを就活に活かそう、といった思いは少なからずありました。就活でよく自己分析だとか強み、弱みとか言いますよね。私はSHIP で自分自身がどんな人間であるのかについて本気で向き合い、その中で言語化できるようになろうと目標を決めていました。具体的にはとにかくがむしゃらに仕事頑張っ て、後からあの時自分はどういった考え方の基、行動したのか、であったり、何を意識していたのか等を振り返ってみる事にしました。ここでは具体的に自分の強み等は書きませんが、日本にいる時よりは圧倒的に自分自身について振り返る時間がありました。自分はどんな環境ならモチベーションを高く維持できるのかや、何にストレスを感じやすいのか、どう言った人間性の人と合うのかなど、自分の思考の軸ってなんだ、など考えたこともなかった自分と向き合うことが出来ました。


時にはお互い悩みます。


■HARD ~インドで仕事をする難しさ-

あれ、Q3 のスタッフから体験記なんか変わってんな、と思われた方もしかしたらいらっしゃるのではないでしょうか。犯人は私です。普段から興味があって体験記をよく読んでいたのですが、もっとこの人の渡航期間の内容や取り組んだとこについて詳しく知れたらな…と思ったのがきっかけでした。国内全スタッフにアンケートをお願いし、体験記の現状や課題を洗い出しました。こうして完成したのが、この体験記の形です。もしかしたら、長いな。飽きるわ。なんて思われる方もいらっしゃるかなとは思うのですが、SHIP に興味のある方からすれば非常に有益な体験記に変わっているかなと思います。(そう信じたい)

こうした取り組みをしている最中、社員さんから外部渡航者獲得プロジェクトをやってくれないかとお話をいただきました。私はこのチャンスを逃すまいと無我夢中で取り組みましたが、なかなか一筋縄ではいきませんでした。

「これってインドにいるより、日本にいるほうが仕事しやすくない?」

そうなんです。明らかにインドにいるより、日本にいる方が仕事はしやすいに決まってます。

具体的にプロジェクトの中で行ったこととして、まずターゲット大学の留学者数や休学者数等、SHIP のアプローチを仕掛ければ応募者が見込めるかのリサーチから行いました。しかし、この時点で大学に聞き込み等インドにいる私はできないので、国内スタッフに協力をしてもらうしか手はありません。

そこで集まった情報からターゲットの大学、またその中でも注目すべき学部等を定め、ネクストアクションを決めていきました。アクションとしてはいくつもあったのですが、最も苦労したのはゼミ・クラス授業前での SHIP ミニ説明会です。経験がある方もおられるかもしれませんが、授業前に誰かが来てちょっとした講演会やインターン、留学等の宣伝が行われたりする時ありますよね、あれです。あれを立命館と神戸市外大で行おうと決めました。

まず、ターゲットに定めた学部のクラス授業やゼミの時間割、クラス名、教室場所、担当教授名、担当教授の連絡先を集めます。ここでも国内のスタッフや知人に協力をお願いしなければなりません。

それらを集め終えたら、国内スタッフから授業に説明会を行いにいける人を探してお 願いをします。説明会を開催したい授業の時間割と、スタッフの都合がなかなか合わず、またスタッフにとっても大きな負担となるため、協力者を集めるのにはかなりの苦労 が伴いました。また、自分自身が決めていたスケジュール通りに間に合わせるために焦 っていたせいで、スタッフへの頼み方が失礼な形になってしまい、厳しい指摘等も受け たりしました。

こうした失敗を重ね、スケジュールを組んだのち、実際に担当教授へ説明会を授業冒頭

3 分で行っていいかの許可をもらうためにメールを送ります。ここでもそう上手くはいきませんでした。インドにいる私は教授に直接会ってアポをとることができず、様々な都合からメールという形でしかお願いができませんでした。これに対し、いきなり見知らぬ人からメールで依頼なんて失礼なんじゃないのかと、指導を受けたこともありました。こうした地道な取り組みや失敗を重ね、ようやく開催にたどり着け、2 校合わせて 5 クラスで開催まで持って行くことができました。たった 5 クラスかよ、と思わ

れるかもしれません。このように全てが上手くいかないのもまた SHIP です、、、

ですが、これ以外にも LINE@の運営や SHIP 説明会、Twitter 広報の甲斐あって、目標としていた数字は達成することができました。とにかく私が取り組んだ VISION は国内スタッフの協力なしではなし得ることが出来ませんでした。


普段の業務も頑張ってました。


■INFLUENCE ~この言葉を使うならそれ相応の覚悟を-

INFLUENCE この言葉はとてもいい言葉です。知るカフェのスタッフなら頭に叩き込まれていると思います。しかし、この言葉をはき違え、巻き込んでいれば INFLUENCE してる!と思うのは大きな勘違いです。INFLUENCE であって、巻き込み事故であってはならないのです。

私が VISION を進めて行く上でこの言葉は大きな意味を持っていました。外部渡航者獲得を進めて行く上で、協力をお願いすることは数えきれないほどありました。その際には必ず、この仕事は組織や PJ においてどれほど価値があることなのか、しっかり、同じ方向を向いて目的やゴールを共有し報連相ができているか、相手にとってこの仕事をいかに自分事にしてもらうのか、そういったことを常に考えて行動していました。最初は、慣れないこともあり、相手に不快な思いをさせてしまうこともありました。正直同じ店舗のスタッフには迷惑をかけているなという自覚もありました。しかし、先輩に厳しく指導をもらってからは先述したことを常に意識して INFLUENCE できていたのではないかなと思います。


■POTENTIAL ~英語は向き合わない限り何も成長しない~

皆さん少なからず英語に関して不安があると思います。自分自身英語は入試以来放置状態であり TOEIC も 400 台のかなり英語ができない人間でした。過去渡航経験者に話を聞いてみれば、”英語はなんとかなる”、”そのうちある程度聞き取れて話せる”なんて言葉を鵜呑みにし、何も勉強しないまま渡航してしまいました。しかし、現実は全く甘くありませんでした。1ヶ月経っても英語能力はほとんど変化なしで、How are you?と尋ねられただけで、え?もう一回言って。なんて始末。また、私自身英語を話すことに怖さみたいなものを感じてしまい、かなり英語から逃げてしまいました。本当ならここで、課題を克服して英語能力が向上しました!なんて話を期待しますが、私は最後まで英語に悩まされ続け、そして向き合うことが出来ませんでした。自分の仕事には英語は必要ないと割り切ってしまったのです。SHIP で後悔するとしたら間違いなく英語です。最低限の英語ができれば接客は可能ですし、直接インターンに英語が関わることは多くはありません。しかし、少しでも英語が出来ていればもっと仕事の幅も広がっただろうし、インドの人々への理解も深まったかなと思います。

英語の教師をしてもらってたもっちゃん。

■SHIP で得られた能力

“自走力”と“かなと思います。(MG のお言葉を借りて)

私が取り組んだ VISION は別にインドにいないとできない仕事ではありませんでした。逆に、日本にいる方がやりやすかったです。人にお願いする仕事ばかりで、国内から嫌われる仕事を俺に振られてるだけやん。なんて思ってました。読んでいる皆さんもそう思われるかと思います。インド行ってる意味ある?って。

でもそうじゃないんですよね。日本でもできるじゃなくて、SHIP スタッフとして渡航しているからこそ関わることができる仕事なんです。国内スタッフでも多くの裁量権 が与えられていますが、SHIP ではそれをはるかに超える裁量権が自分に与えられます。インド事業が自分の VISION の出来次第では安定運営ができなくなることだって考えられます。自分が動かずに外部渡航者獲得のノウハウを蓄積しなければ、今後もまた 0 からのスタートになります。自分のしょうもない感情一つ手を抜くなんてできない環境です。

このような環境でずっと仕事をして行くうちに、自分自身でモチベーションやメンタルの管理ができるようになりました。プライベートには引きずらず、切り替える力だって身につきます。ずっと 2-4 人で生活するわけですから、プライベートにまで仕事のことを引きずられると周りもうんざりしますよね。こういった自己管理能力や自走力が SHIP で身についたのかなあなんて思います。


■インドア人間がちょっぴりアウトドアに

ずっと真面目な体験記だったので、ここでは少し楽しそうなところを。

SHIP 行く人って、行動力あって、海外が大好きで、インドの文化も受け入れて面白いとか言っちゃって、また来たいとか言っちゃって。自分はこう言った人とはとにかく真逆でした。そして自分は根っからのインドアですが、同じハイデラ渡航者の O さんは大の旅行好き。最初はめちゃめちゃ嫌でした。寝かせてくれ…って。(ごめんなさい) でも、帰る頃には旅行も計 6 回ほど行って、旅行にも抵抗はほとんどなくなっていました。素敵な写真もいっぱい撮れました。たくさん先輩との思い出もできました。全店旅行だって 2 回もしました!本当に感謝しています!

お給料で買った 1 万円以上のサングラスは買って 1 ヶ月で無くしたり、朝ゴア空港でハイデラへ帰る便を待って寝ていたら、もう飛び立ってて新しい便に 13500 円払ったり、普通に旅行代だけでかなりの額が飛んで行きました。飛行機も往復で 3 回乗って旅行に行きましたからね。でも休日これだけ充実してて、お金も使えば使うほどいい査定とってやろう!!と仕事にも打ち込めました。ちなみに”インドでしかできないこと”を旅行で補っていました。ぜひ皆さんたくさん旅行してみてください。日本じゃ考えられないぐらい全ての規模が桁違いです。

映えてますね


■おわりに

ここまで書いてきましたが、長かったですよね。

最後に思うことは、2 週間かぶった S 君、ずっと一緒にいた王子様の O さんと一緒との渡航で本当によかったなと思います。2 人とも自分にはないものを持っていて、常に自分をサポートしてくれました。何一つ店長っぽいことはできていた気はしませんでしたが、2 人ともついて来てくれました。この 2 人との渡航じゃなければ、インドでの生活が合わなかった私にとっては本当に辛かったと思います。2 人ともインドで初めて会いましたが、本当にいい出会いでした。これも SHIP の魅力ですかね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。1 人でも多くの方が、SHIP に興味が湧いたと思ってくだされば嬉しいです。知るカフェスタッフではない人でも渡航は可能です。ぜひ応募してみてください。

早々と帰った相方 S 氏

偉大なる先輩とツーショット@ハンピ

素敵な Q3 メンバー(デリー店来て欲しかった)

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知るカフェの運営する海外インターシップ「SHIP」 参加者体験記やSHIPについて発信する公式ブログです。 他では得られない経験。世界という大海を渡るために必要な「舟」を、あなたに。 「世界へ、漕ぎ出せ。」