渡航体験記Vol.70(名古屋大学1年Kさん)

―体験記をご覧の皆様へ―

「舟」を意味するSHIP。それぞれの文字が、「SHIP」に参加するにあたり意識すべき行動規範を指しています。

SHIRU ~世界を、自分を、「知る」機会~

HARD ~ビジネスのリアルな厳しさ~

INFLUENCE ~世界に「影響」を与える体験~

POTENCIAL ~切り拓く自らの「可能性」~

SHIPに参加する渡航者はこれらの行動規範に沿った目標とそれを達成するための具体的な目標を立てます。これらを頭に入れて頂いた上で読んでいただくと一層渡航者のリアルな体験が感じられることと思います。



■大学名:名古屋大学

■学年:1年生

■渡航時期:Q4(1月~3月)

■目次

○はじめに

○SHIPに応募した経緯

○SHIPで学び得たこと

○今後に向けて

○おわりに


■はじめに

こんにちは!名古屋大学経済学部の新2年のKです!1年の春休みを使ってインドで働かせていただきました。「インド?毎日カレー?」「学生だけで店舗運営?業者との取引も全部やるの?」「病気とか大丈夫?安全なの?」など疑問や不思議が多いこのSHIP(ちなみに上の答えは全部YESです)。これからSHIPの良さ、そして何か挑戦することの楽しさを伝えていきます!

(チーム名はハイデラQ4を変えて、「はいでらっきょ」。)


■SHIPに応募した経緯

名古屋大学受験の前日、つまり高校3年の2月下旬、現在のインド事業部のリーダーであり高校の部活の先輩だったM君に静岡の高校で会いました。なんで高校にいるのか聞いたところ「明日からインド行くからお世話になった先生方に挨拶しに」と言っていました。合格後に彼のTwitterから「知るカフェ」そして「SHIP」を知りました。大学に入ったら頑張りたいことはこの時決まりました。迷いもなく応募し、大学1年の春休みのSHIP渡航者に選んで頂きました。

(フランスの植民地だったことで有名なポンディシェリwith M君)


■SHIPで学び得たこと

① 最高の友達と世界への興味

英語は苦手ではなかったので特に勉強もせずにインドに来ました。何日か過ごして心から思ったのは「自分が得意だったのは受験英語であり、本当の英語ではない」ということです。現地ではインドなまりの英語の影響もあり、全くと言っていいほど相手の話す英語が聞き取れず、かつ伝えたいことを英語にするのにコミュニケーションとしては問題のあるレベルの時間がかかってしまいました。ただ、過去の渡航者からも聞いていたように、気にせず積極的に話して慣れることを目指しました。IITの学生は本当に素直です。本音と建て前などのような表面上の会話はしません。本当に思ったことだけを伝えてくれます。自分にはこのインドの文化がとても好きでした。「日本人だから」「英語下手だから」「若いから」などと言って距離を置こうとすることはありません。おかげで心置きなくコミュニケーションを取ることが出来ました。最後の営業日には本当に多くの学生が「今日で最後だよね、ありがとう」や「Happy Journey!」などと言って別れを惜しんでくれました。インドに行ったことで「もっとこの人たちと深い話をしたい」と思うようになったと同時に、「もっと色んな国に行って価値観を広げたい」とも思いました。総合商社で働き、世界どこでも活躍できるビジネスマンになるという現在の目標のためにも、英語力を今後磨いていきます。

(ホーリ―というインドのお祭り。これはまだ序盤。)


② 本当の本気とは

SHIPではこんなの無理、と思ってしまうような目標数値設定や難しいプロジェクトが何度もありました。全ての達成は初めから諦めて、達成可能性が高いものだけを追うことも考えました。そしてその頃、ハイデラバードに社員のHさん、インド事業部リーダーのM君が来ていた日の夜、寮の部屋の外のスペースで2人が話しているところを通ったとき「お疲れ様です」と挨拶だけして部屋に戻った自分に対して翌日指摘を受けました。「なんで2人がいるこの機会にもっと相談したり、話そうとしないのか」と。自分の中では話していた2人に気を遣ったのですが、Hさんは「本気で結果を残したい人、成長意欲がある人は相手の状況考えずに話しに来る。もし俺達が話せない時は別の時に話そう、と言うもん。」と言いました。この時はじめて自分は「本気でやっているつもり」だったと気づきました。とても難しいことに対して無意識に言い訳をして諦めていた自分をハッキリ認識し、「難しい。じゃあどう解決しようか。」と考える癖をつけることをそれ以降意識し続けました。このマインドセットは仕事だけでなくあらゆる面で活かせると思い、大事にしています。

(社員のHさんと食堂で激辛カレーパーティー。残した。)


③ 自分自身と向き合う機会

数か月間はどんな時でも働き続けなければなりません。モチベーションも常に一定、ではありませんでした。「なんで自分が選んでもらえたんだろう」「自分の強み・いつ頑張れるのかよくわかんない」と思うことも多々ありました。自分自身についてよくわかっているつもりでも、思った以上に言語化できない(=わからない)ことが多かったので驚きました。でもこの渡航によって「いつ・どんな仕事をしているときに自分が楽しくやりがいを持って働けるのか」について言語化しようと努力し、自分自身の性格・考え方をイメージでなく実体で捉える必要性を認識しました。言語化を通じて、ぼやけていた自分の強み弱みなどが以前より鮮明になり、それを行動にまで落とし込めるようになった気がします。

(さすがにどれかわかるよね…?)


④ 協働するとは

2019年からSHIPは目標数値を追うためや、新施策の立案から実行まで今まで以上にチームでうまく働くことが必要になりました。ハイデラ店の店長Sさん、Mさん、そして自分も「人を動かすのは大変だから自分1人でなんとか解決する」という考え方で、最初は必要最低限だけ助けを求めつつ、基本は各自で動いていました。ただ、3人共これ!と言えるスキルは誰も持っていません。また、報連相も多かったわけではなく他の2人が何をしているか正確に理解していない状況でした。このような足し算での進捗では思ったような結果は出ませんでした。さらに、自分の本心を隠してなんとなく人と上手く仲良くやっていけるメンバーだったので、衝突も起こらずそれが現状の解決を困難にしていました。インドに来てから3人で真剣に話し合うまで1ヶ月くらいかかりました。遅いとは思うけど、話しました。言いたくない自分のことも言いにくいことも話し、解決策も話しました。強いチームに最も必要な条件の1つは「仲間を家族のように大切にできること」だと思います。悩んだら頼れるし、切磋琢磨できる関係。2人には本当に感謝しています。

(ゴアでの全店旅行。最高のリゾート地でした!)


■今後に向けて

高校サッカー部の頃、自分が点を決めた試合で試合終了の笛を聞く瞬間が最高に好きでした。その笛を聞くまでには何度もミスもして、疲労も溜まって、監督にも怒られて…。言葉では上手く表せないけど、でもその瞬間が本当に好きでした。その瞬間と同じ感覚を最後の日、インドを発つ飛行機の中で感じることが出来ました。もう二度とないと思っていたこの感覚を味わえたことに驚いたとともに、今後の人生でもこういった経験を何度もできる人生を送りたい、と思いました。楽だから、とか笑えるから、から来る楽しいでなく、本気で挑戦し続けて味わった「楽しい」の感覚。こいつと一生仲良くしていけるような、そんな努力をし続けたいです。

(ケララでの船生活。至高。インド行くなら絶対行くべき。)


■おわりに

今までで一番やりがいのある経験が出来ました。今までで一番大好きな仲間と出会えました。SHIPに興味はあるけど、応募するのを迷っている学生に、「なんでインド行かないの!」と言いたいです。必要なのは英語力とかスキルとかSHIPでのビジョンでなく、未知の世界に飛び込む勇気だけです。

1人でも多くの人にとってこの渡航体験記が役に立てば嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました!


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