渡航体験記vol.71(神戸市外国語大学1年Yさん)

―体験記をご覧の皆様へ―

「舟」を意味するSHIP。それぞれの文字が、「SHIP」に参加するにあたり意識すべき行動規範を指しています。

SHIRU ~世界を、自分を、「知る」機会~

HARD ~ビジネスのリアルな厳しさ~

INFLUENCE ~世界に「影響」を与える体験~

POTENCIAL ~切り拓く自らの「可能性」~

SHIPに参加する渡航者はこれらの行動規範に沿った目標とそれを達成するための具体的な目標を立てます。これらを頭に入れて頂いた上で読んでいただくと一層渡航者のリアルな体験が感じられることと思います。




■大学名:神戸市外国語大学

■学年:2年

■渡航時期:Q4(1月~3月)

■目次

○はじめに

○SHIPに応募した経緯

○SHIPで学び得たこと

○今後に向けて

○おわりに


■はじめに

はじめまして、神戸市外国語大学2年のYです。

今回私は、インド最大の経済都市、ムンバイでSHIPに参加していました。そこで私が見たもの、感じたものを綴っていこうと思います。


↑我らのボンベイ店

日本文化の紹介も兼ねて桜のインテリアを飾っていました



■SHIPに応募した経緯

私がSHIPに応募するきっかけとなったのは去年の4月にまで遡ります。国内の知るカフェスタッフに応募するため、知るカフェについて調べていた時にこのSHIPという海外インターンの存在を知り、必ずスタッフになってSHIPに行くぞ!とその時すでに決意していました。もともと海外での仕事に興味があったことに加え、兄がバックパッカーとしてインドに旅行していたため、“インド”という国自体にとても魅力を感じていました。兄から聞いていたインド人の印象は、嘘つき、声をかけてくる人は全員詐欺師、など散々なものでしたが、SHIP体験記にはインド人はとても親切で良い人ばかり、一生の友達ができた、などといった真逆の印象がほとんどでした。同じインドでも、訪れる場所や環境によってこんなにも大きな差があるのだ、ということを知った私はどちらの世界もこの目で見たいと思い、その未知の世界への好奇心が応募にあたって大きな部分を占めていました。


I love Mumbai


■SHIPで学び得たこと

〇見たことのない景色

これまでの記述から分かるように、私は数値を追ったビジネスをすることよりも、知らない世界が見られることに期待を膨らませてインドへ向かいました。初めて吸うインドの空気、鳴りやまないクラクション、舗装されていない道でがたがたと揺れ続ける車。五感で感じられる全てが刺激的でした。

信号待ちの車では、物乞いの親子がコンコンと窓を叩いてきたり、小学校1年生くらいの小さな女の子が物を売りにきたり。はたまた、肘から先がない腕をこちらに見せながらじっと見つめてくる男性もいます。何か力になれないかと思いながらも、ただ目をそらすことしかできないことにもどかしさを感じていました。。

また、私たちは国が管理するスラムへのツアーにも参加しました。映画「スラムドッグ$ミリオネア」の舞台で、アジア最大のスラムの一つです。"スラム"という言葉から連想されるような悲壮感はなく、機械を使ったリサイクル業や手工業を中心に産業が出来上がっており、住人の多くはそれぞれ仕事を持っていました。

インドに行ってから私は、"生きているんだ"ということを幾度となく実感しました。それは、周りのインド人の熱気や、生き抜く力を肌で感じていたからかもしれません。

ここからは、自己の成長という面での動機を明確に持たないままSHIPに参加していた私が、SHIPを通して、数値に貪欲になり、チームで本気で何かに取り組むようになった経緯をお伝えしたいと思います。


全店旅行での一枚。5店舗から、総勢15名のスタッフが集まりました!


大好きなボンベイ店メンバー


〇本気になれなかった初月

私は自己主張が苦手で、それまでの対人関係において、自分が引き下がって丸く収まるのならそれが一番良いと思っていました。これは、渡航前から克服すべきだと漠然と感じていた自身の弱みの一つでもあったのですが、渡航してからしばらくしても、意識して改善しようとしなかったため、長い期間をともに過ごす仲間に対しても、途中までは完全に心を開くことはできず、ただ「仲の良い」「心地の良い」チームに留まっていました。全員がなんとなく上手にやれてしまうタイプだったことも一因であったと思います。このままでもどうにかなるのではないかという考えが頭の中にあったのですが、、、現実は甘くはありませんでした。

2月度の数値目標は全て未達に終わり、4店舗の中で最下位という結果になってしまったのです。その結果発表が行われたインドの全店ミーティングのあと、私は呆然として何も考えられなくなっていました。あの時の悔しさと、情けなさが混ざったような感情を忘れることはきっとないと思います。目標値の達成のため、ある程度頑張ったつもりだったし、それなりに時間を費やしたつもりでした。しかし、他店舗の取り組みを聞いてどれほど私の見通しがどれほど甘かったかを突き付けられました。そして、改めて自分の取り組みを振り返ると、具体的なアクションをしていなかったことに気が付き、このままではいけない、という思いに駆られたのです。

本気でやったつもりだった2月。全然数字に貪欲になれなかった2月。ここから、私たちは変わりました。まずは自分をさらけ出すところから始めようと思い、4人で自分の生い立ちから強みや弱みまで、夜が明けるまで徹底的に話し合い、その日から、お互いを素直に頼り、施策を行動に移すことを心掛けながら、お互いの長所と短所をカバーし合って1つのチームとして仕事に向き合うことができるようになりました。

それが顕著に現れたのが、ある施策を行ったときのことです。その施策の進め方が私ともう一人のスタッフの間で意見が大きく食い違っていました。前の自分なら、すぐに自分の意見を引っ込めて相手の言う意見で進めようとしていたと思うのですが、その時はどうしても納得がいかず、二人で話し合う時間をもらい、お互いが納得できるところまで議論を交わし、すり合わせることができました。ここは譲れない、というポイントをもてたこと、そしてそれをぶつけられたこと。チームのメンバーを信頼し、本気で成し遂げたい、結果をだしたいという思いがあったからできたことです。その時は必死であまり意識していませんでしたが、振り返ってみたら私が以前と大きく変わることができたところだなと思っています。


(3月度はなんと店舗表彰をいただきました!)


〇絶対的な自信

渡航前の私に足りなかったもの、それは自信でした。自分の意見を主張するのが苦手なのもここからきていたのでしょう。人と比較して自分の弱みに目を向けてしまうことが多く、自分という軸を見失ってしまう原因にもなっていたと思います。

自らが実際に手を動かし、責任感をもって行動し続けることで自信は湧いてくるし、そこで得た自信は他人との比較ではなく、理想の自分からみた、ぶれない軸をもつ絶対的なものです。インドで、たった4人の大学生のみで一日1300人のインド人を相手にビジネスをする。いつまでも来ない業者にめげずに連絡を送ったり、インド独自のニーズを探ったり、、、日本では出来ない経験をたくさんさせていただき、その量と質が私に今までとは違う、絶対的な自信をもたらしてくれました。

わたしの親友になる!と高らかに宣言してくれたK。有言実行してくれました。彼女の存在は本当に大きかったです。



■今後に向けて

SHIPでは、ありたい自分の姿や、強みや弱みなど、自分がどんな人間なのかを知り、そしてそれについて深く考える機会が多くありました。そこで見えてきたものを生かして、今度は己の成長だけではなく、私が今回周りの方々のサポートを受けて成長ができたように、他の誰かを支えられるよう精進していきたいです。


↑本当に親切な学生ばかりでした。(この目で確かめたので間違いありません)



■おわりに

この体験記を読んでインドやSHIPに少しでも興味を持ってくれる方がいてくださったら嬉しい限りです。インド、良いところですよ。

今まで、何かに本気で取り組んだ経験がこれといってなかったが故に、何事にもいまいち頑張りきれなかった私に、本気で取り組んだ人にしか見えない景色を見せてくれたチームのみんなには感謝しかありません。この4人で、ボンベイ店で過ごすことができて幸せでした、本当にありがとうございました、大好きです!

知るカフェ海外インターン「SHIP」公式ブログ

知るカフェの運営する海外インターシップ「SHIP」 参加者体験記やSHIPについて発信する公式ブログです。 他では得られない経験。世界という大海を渡るために必要な「舟」を、あなたに。 「世界へ、漕ぎ出せ。」