渡航体験記Vol.57(早稲田大学4年Oさん)

―体験記をご覧の皆様へ―

「舟」を意味するSHIP。それぞれの文字が、「SHIP」に参加するにあたり意識すべき行動規範を指しています。

SHIRU ~世界を、自分を、「知る」機会~

 HARD ~ビジネスのリアルな厳しさ~

INFLUENCE ~世界に「影響」を与える体験~ POTENCIAL 

~切り拓く自らの「可能性」~

SHIP に参加する渡航者はこれらの行動規範に沿った目標とそれを達成するための具体的な目標を立てます。これらを頭に入れて頂いた上で読んでいただくと一層渡航者のリアルな体験が感じられることと思います。

■学年:4 年生

■渡航時期:10 月 15 日〜12 月 8 日

■渡航期間:約 2 ヵ月

■ 目次

• はじめに

• SHIRU ~新しい世界を、自分を知る~

• HARD ~5 つの VISION~

• INFLUENCE ~インフルエンスとは~

• POTENTIAL ~マルチタスクの鍵~

• SHIP で得られた語学力

• SHIP 体験記付録~休日編~

• おわりに

■ はじめに

こんにちは!早稲田大学政治経済学部 4 年、O です。写真右です。

インド行ってきました。

また!?って 5 人くらいに言われました。少ない。

そうです、実はこれが 2 回目の SHIP。

数か月に渡る海外インターンシップということもあり、リピートした人って数えるほどしかいません。そんな中、再度 SHIP に挑戦した理由とは。

1. 前回が楽しかったから (拙い文章の vol.18 が前回の私の体験記です)

「楽しい」って大事ですよね。私はサッカーを 6 年間、その後ハンドボールに浮気して 8 年間、結構ハードでしたが、楽しかったから頑張れました。

SHIP も同じです。

確かに大変な点は多いです。クラクションはうるさいし、街に出れば空気も道も汚いし、トイレはウォシュレットで濡れた便座を拭くところから始まります。

(※知るカフェがある大学内はきれいで静かで快適ですのでご安心ください)

こう見えても日本生まれ日本育ちの私には、日本の方が居心地が良いのは確かでした。

インターンシップとしても、毎日頭をフル回転させてバリューを発揮することを想像してもらえれば、大変そうだなぁと分かると思います。

しかし、困っていたら知らない人にでも手を貸す彼らには何度も助けられ、その分色んなインド人と仲良くなり、休日の旅行では見たことのない景色ばかりで、それら全てが忘れられない思い出になっていました。また彼らに会いたい、新たな景色が見たいなと。

↓今回も学生と仲良くご飯に行ってきました。日本人は 2 人とも髪が長いですね。インド

では 50 円くらいで切ってもらえるのですが、安すぎて逆にぼさぼさを選択しました。


2. お金を貯めたかったから

私は来る 3 月に卒業します。そして既に卒業が決まっています。ということは秋学期から 3 月にかけて卒業旅行に行き続けなくてはなりません。

SHIP の好待遇に加え、日本にいるときよりも出費が少ない生活は、貯金にもってこいだったというのは理由の 1 つでした。

3. 英語を使う環境に身を置けるから

皆さんも海外出身の友達と英語で話すことがあるかもしれません。私の場合は、香港人の友達が、それです。もっと自由に話したいなぁと思って、電車で洋画見たり、電車で英語勉強したり、電車で洋楽聞いたりしていました。

電車通学に 1 時間以上はかかるので(泣)

英語力向上の、特にスピーキングのためには SHIP も十分な手段になり得ました。

4. やりたいことがしたかったから

前回は、インド 3 号店であるIIT インドール店の立ち上げスタッフとして渡航したので、何とか運営を軌道に乗せて帰国するのが精一杯でした。

一方で今回は比較的運営が安定する 1 号店の IIT ハイデラバード店です。「事業を拡大するためには」、「SHIP より良くするためには」という視点から何かに取り組みたいという想いがありました。インドールでキャパシティ、包容力、タスク処理能力が培えるとしたら、ハイデラバードでは生み出す力を試せるイメージですかね。

以上の 4 つが理由として挙げられます。SHIP のような多くの時間を引き換えにするインターンは、目的をはっきりさせてから渡航するのが大事ですね。

とは言いつつ 1 回目の SHIP は「迷ったらやってみる」という事で渡航しましたが。

どっちもありですね。

以下、SHIP で具体的にどんなことをして来たのか紹介します。


■ SHIRU ~新しい世界を、自分を知る~

僕が「SHIRU」という行動規範で目指したものは

新しい世界を、自分を知る

です。

新しい世界を知るために「話す」ことを意識しました。

話す相手は、共にインターンをこなした相棒、インド人学生、教授など全ての人です。特に、ハイデラバード店ならではの、日本人の来訪の多さのおかげもあり、多くの世界を舞台に働く社会人と話す機会がありました。

駐在員がインドから帰りたくないと思っていること、勤務後は日本とは異なりやることが限られるためウクレレを始めたこと、座り込んで値切り交渉することが得意な駐在員がいることなど、他にも興味深いお話を沢山聞くことができ非常に有意義でした。

ここでしか会えない人たちと話せるのも SHIP の魅力ですね! ほんとに。

写真は連れて行ってもらったゴア料理のレストランですはしゃぐ相方です。焼き鳥やパスタなど、カレー以外も楽しめる、ハイデラバードで一番という人もいるくらいで、とても美味しいものばかりでした。虫よけスプレーは忘れずに。



続いて自分を知ることについて。

本気で色んな取り組みをし、時に自分に向き合ったからこそ、知れた自分があります。どんな時にやる気になれて、その逆はどんな時か。そういった場面ではどのような動きができるのか。どこまでなら質とスピードを維持しながら複数のタスクをこなすことができるのか、その基準を知れたのも大きな収穫です。

私は良く言えば適応力があり、どんな環境でも受け入れて過ごしていけると自負していますが、それは同時に課題発見力に欠けているとも言えます。これも自負しています(笑) しかし今回は相方の M 君が課題発見力に長けていたので無敵でした。

なんてこともSHIP を通して「SHIRU」ことが出来たわけです。


■ HARD ~5 つの VISION~

2 ヵ月インドにいれば色々ありましたが、VISION として取り組んだものは 5 つほどありま

す。VISION を設定するポイントは、

① 事業にとって重要な課題を見つけ
② その課題に対してクリティカルな施策を計画すること

であると考えています。そのためにも事業部や過去渡航者からの情報収集を怠らないようにすることが大切です。そこから SHIP は始まっていると思って下さい!

「渡航してから計画したら時間ないやばい…!」という声は沢山頂いています。

以下、私が実行した VISION を簡単に紹介します。

1. IIT 以降の出店候補先となりうる大学の調査

事業部員から話を聞き、「IIT の次どこに出店するの」という問いに対して明確な答えがないということを知りました。そこで IIT に次ぐ出店先となりうる大学を複数調査し、資料としてまとめ提出しました。

2. 意見のヒアリング及び改善案の提案

「SHIP をより良くする」という目的で、アイデアソンを企画しましたが、実際に開催することはありませんでした。事業部や社員さんなどに協力してもらいブラッシュアップを重ねた結果、他の手段がベターであると判断したためです。

代わりに実施したものは、皆から SHIP についての意見をヒアリングし、自らの提案を添えて事業部、会社側に提出するというものです。

3. 小口現金管理の効率化

ここでも上記の 2 と目的は変わりません。無駄な作業を出来るだけ効率化し、クリエイティブな部分に皆が力を注げるようにしていくための、1 つの取り組みです。

小口現金管理に Google フォーム、スプレッドシートを導入し効率化を図りました。既に運用が開始されています。作業量は 2 分の 1 にまでは減らすことが出来たと思います。

4. 企業理解度の浸透

知るカフェを運営していくためにはスポンサー企業に契約していただくことが不可欠ですよね。スポンサー企業に対して、どれだけの効果があるかを示す KPI を高めることも大切なミッションの 1 つでした。

ユニークな掲示物を作成し、店頭及び Facebook にて広報することで理解の浸透を図りました。

5. 最適なシフト作成

私たちは 2 人でハイデラバード店を運営しましたが、今までは 3 人での運営が基本でした。したがって、今までとは違うシフトを組む必要があります。

そこで日々の来店数のペースを測定し、各々のVISION、休憩をどの時間に行うべきか判断しました。渡航してすぐシフトに反映させたので、その後お互いが VISION に打ち込む事に役立ったと思います。

■ INFLUENCE ~インフルエンスとは~

インフルエンスって難しいですよね。私は苦手です。

そこでまずはインフルエンスが得意な後輩 J 君に便乗しました。

J 君と私が所属する知るカフェ早稲田店スタッフに対し、J 君がインドに来た日を境に日報を毎日発信しました。

これは立派なインフルエンス。人に何かを強制するでもなく、SHIP へ理解・興味を深める機会を提供しているので簡単だけど、だからこそ素晴らしいです。

自分自身でインフルエンスしたことといえば、SHIP 参加者の皆と連絡を取り、意見を集めた、VISION の 2 の取り組みですかね。3 の取り組みも各店舗の経理担当の業務に影響を与えたし、4 の取り組みでは学生の将来に少なからず影響を与えたと言えるかもしれません。

これらに共通して言えることは

① 協力を仰ぐだけではインフルエンスでないということ。

協力してもらうにしろ、相手にも良い影響を与える必要があります。

② 報連相はインフルエンスの種であるということ。

日ごろから報連相を徹底していればいるほど、協働のチャンスは広がります。

SHIP を通してインフルエンスへの認識を深めることが出来たのは大きな収穫の 1 つです。


■ POTENTIAL ~マルチタスクの鍵~

「スピード感」

キーワードでした。

SHIP では、少人数で運営するという事もあり、多くの仕事を同時に行う事がほとんどです。私の場合は、VISION も複数を同時進行で行っていました。小口現金管理の運用に向け動きながら大学について調べ、企業担当として情報収集に歩き回るといった具合です。

そのようにマルチで仕事をこなす上で、スピード感を持つことは不可欠でした。

私はどちらかというと、速さよりも正確に仕事をしたい人間です。それでも、今回はスピード感を意識していました。

正確さが気になる人が速さを意識するとどうなるか。

集中力がぐーんとあがります。

おかげで正確さを大事にしながらかなりのスピード感を持って動くことができました。 自分の得意な部分と苦手な部分を把握し、それに立ち向かうことで「POTENCIAL」を伸ばすことができたと思います。


■ SHIP で得られた語学力

英語に関しては、明らかに成長したと思います。まだまだですが…。前回の渡航では TOEIC が 70 点上がりました。

またテストに表れる部分とは別で、英語に対する抵抗が無くなりました。今回もアウトプットの機会に恵まれて、以前よりも言葉にできる幅は広がったと自分で分かるくらいです。英語に慣れたいなら、英語が必要ない日本から飛び出すのはやはり効果的なようですね。

おまけにヒンディー語も何となく感じ取れるように(笑)

ちなみに、インドールは街に出ればヒンディー語ですが、ハイデラバードはまた違う言葉を話しています。ヒンディー語を磨きたいならインドールやデリーの方が良さそうです。


■ SHIP 体験記付録~休日編~

それはインド 4 ヵ月目にしてカレーが服に初めて跳ねた日のことでした。

その日を境に今まで無料だった学食が有料になり、シャワーからお湯が出なくなり、洗濯機は毎回エラーで止まっている、しまいにはまたカレーがズボンに付くなど、不幸が連続しました。

しかし、それでも私たちにはゴア旅行という素敵な思い出が待ち受けていました。ゴアのバガビーチで、ボンベイ店、インドール店のスタッフと撮った写真です。


ゴアの海って綺麗なんですよ。

他にも、ハイデラバード、バンガロール、インドールと旅行しましたが、ベストプレイスは

ハンピでした。

いや、どこ?(笑)

そんな声が聞こえましたが

知る人ぞ知る、と言って良いくらいにはマイナーだと思います。世界遺産なんですけどね… 神秘的なハンピの丘から朝日と夕日を眺めました。

ハンピに限らず、大自然を前にすると色々気づかされることがあります。私たちにも気付きがありました。

学食にお金を払うのは当たり前だと。


■ おわりに

拙い体験記を最後まで読んで頂きありがとうございます。

楽しめた、SHIP のイメージが湧いた、など何か収穫があれば嬉しいです。

SHIP では一人一人色んな困難が待ち受けていると思いますが、自分次第で多方面に成長できる貴重な経験であることは間違いないです。是非挑戦して、楽しんで下さい! 

知るカフェ海外インターン「SHIP」公式ブログ

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