渡航体験記Vol.55(首都大学東京大学院2年Mさん)

―体験記をご覧の皆様へ―

「舟」を意味するSHIP。それぞれの文字が、「SHIP」に参加するにあたり意識すべき行動規範を指しています。

SHIRU ~世界を、自分を、「知る」機会~

HARD ~ビジネスのリアルな厳しさ~

INFLUENCE ~世界に「影響」を与える体験~

POTENCIAL ~切り拓く自らの「可能性」~

SHIPに参加する渡航者はこれらの行動規範に沿った目標とそれを達成するための具体的な目標を立てます。これらを頭に入れて頂いた上で読んでいただくと一層渡航者のリアルな体験が感じられることと思います。

■学年: 修士2年生

■渡航時期: Q3 9月下旬 〜 11月初旬

■渡航期間: 1カ月と3週間

■目次

 はじめに

 SHIRU ~知ることは、受け入れること!~

 HARD ~責任をもって「やらない」ということ~

 INFLUENCE ~周りに影響を与える難しさ~

 POTENTIAL ~言語の壁を叩き割る~

 SHIPで得られた能力

 自由記述

 おわりに

■はじめに

はじめまして!首都大学東京大学院のMです。

私は今回、知るカフェのスポンサー企業の内定者として、SHIPに参加しました。きっかけは、グローバル企業である内定先に就職する前に海外インターンシップに参加し、力試しをしたいと考えており、内定先企業の人事担当の方に紹介してもらったことです。

私は、SHIPの話をもらったとき、なんの迷いもなく参加を決定しました。理由は「力試しをしたい!なにか一つのことにのめりこみたい!」と考えていた私にとって、インドで2か月というのがとてもしっくり来たからです。ただ、一つ迷いがあるとすれば、「グローバル企業でコンサルタントとして働くための力試し」に「日本人学生とカフェを運営すること」が適しているかどうか、というところでした。様々な体験記や、話を聞いて、SHIPは知るカフェの学生スタッフや、就活前の学生に対してはとても意義のあるものだけれど、自分にはどのようにハマるのか少し不安な部分がありました。今回はそこに着目して、“SHIPへの参加を考えている就職を控えた学生”に向けて体験記を書きました!長いですが最後までぜひ最後まで読んでみてください!


■SHIRU ~知ることは、受け入れること!-

ここでは、「インドの価値観を知る」ことを目標にしました。2か月近くインドという国に滞在するので、きちんとインドという国に向き合い、考え方・食べ物・ルール・言語などすべてを含めたインドの文化を知りたい!と思っていました。ただ、そこに関しては意識さえしていれば自然に知ることができました。毎日関わるたくさんのお客さんや、仲のいい学生からたくさんのことを知ることができます。ですが、肝心なのはそれを受け入れることだということに徐々に気付きました!「日本ではこうだから」と言っていて拒まずに、できるだけ挑戦すると、自分もインドを本当の意味で楽しむことができるし、現地の人との心の距離もグッと近づきます!特に、私は日本ではテーブルマナーにとても気を遣う方ですが、現地学生とご飯に行ったときに「素手でカレーとご飯を捏ねて食べる」ということに挑戦をしたのがすごく新鮮で楽しかったです!インドという土地は、日本と比べてしまうと危険だとか汚いとかいう感情が生まれるかもしれませんが、染まってしまえばただただ楽しいです。

■HARD ~責任をもって「やらない」ということ-

今回私は、スポンサー企業の内定者として渡航したこともあり、「スポンサー企業に対する店舗の価値を向上させる」という絶対的な目標を持ってインドに渡航しました。今回私が配属された、ボンベイ店は、最も来店数が多いという特徴があり、毎日約1000人の来店数があり、ピーク時には恐らく一人あたり20秒くらいしか接客ができないという現状がありました。そのため、ボンベイ店は、この目標を達成する必要が最もあり、かつこの目標を達成することが最も難しい店舗でした。単純に、「接客時に絶対に企業説明を徹底しよう!」と意気込んで来た私は、勤務初日に来店数1000人+スポンサー企業のイベント、勤務3日目にして来店数1250人越えを経験し、企業説明を接客時に行うことへの難易度を痛感しました。そこから、他の案を考えPDCAを回していき、、、というようにするのが理想なのですが、そううまくはいかないのがインドであり、SHIPであり、社会で働くということでした。店舗のインターネットが使用不可となり原因追及 ・対応に追われ、終わったかと思いきや、事業部からスポンサー企業に提供する情報の調査を依頼され、調査を行ったりと、責任感が強い自分は飛び込んでくる誰かがやらなければいけない仕事に追われる日々を過ごし、あっという間に一ヶ月が経ってしまいました。

ここで、やっと焦りを感じ、自分が渡航前に書いたvisionシート 自分の課題や目標をまとめたもの)を見てみると、克服したい課題の欄に 「人に相談をするのが苦手 問題が起こるギリギリまで自力で何とかしようとしてしまう)」と書いてありました。「まさにそれだ。まずい。」と思いました。私は 「スポンサー企業に対する店舗の価値を上げる」責任があり、そのことをすっかり忘れており、さらに、依頼された仕事については、自分の渡航期間中に終わらない恐れさえありました。それを恐る恐るvision面談で相談すると、特に驚かれることも失望されることもなく 「じゃあその仕事は他の店舗スタッフに振ろうか」と言ってくれました。その後は、店舗スタッフも忙しい中理解をもって仕事を引き継いでくれ、私はスポンサー企業の理解度を上げる施策を再考し、接客以外での企業情報提供機会を向上するという取り組みを行うことができました。具体的には、サイネージ 企業広告動画)の価値向上に努めたり、3000人のフォロワーに一気に情報を伝えることのできるオンラインでの企業広報に努めるということを行いました。その施策では数値としての結果が出るまでには至れなかったことがとても心残りですが、そこから課題を見つけ、どのように改善していったらいいかということを店舗に引継ぎ実行に移してから渡航を終えることができました。さらに、今回のこのSHIPで初めて私は 「やらない選択をする」ことに成功しました。これは大きな学びとなり、「自分のためにまずはなんでもやってみる」という学生の価値観から、「責任をもってやらない選択をする」という社会人の価値観を持つきっかけになりました。




■INFLUENCE ~周りに影響を与える難しさ-

今回私に最も求められていたことは、おそらくこの項目、“Influence”でした。初めて、知るカフェの外部からSHIPに参加したため、私にとっては店舗や事業部に新しい気づきを共有し影響を与えることができる、知るカフェにとっては今までなかった周りに影響を与える難しさ視点を取り入れる、大きなチャンスでした。ですが、積極的に発信していくことが苦手な私は、なんと、今回恐らくその大きな役目を果たすことはできませんでした!

ですが、店舗内のスタッフに対しては店舗MTGや日々の生活を通してInfluenceができたようです。

具体的には、それぞれのスタッフに、仕事上でのコミュニケーションの取り方や、スタッフ間の人間関係を構築するうえでのアドバイスやフィードバックをしていました。とても些細な事ではありますが、そのことが、店舗のスタッフにはプラスに働いたようで、感謝を伝えてもらえました!

自分で影響を与えようとして与えるのはとても難しいですが、自分の日々の行動が、周りのスタッフにとってのきっかけになることもあったようで、その点では嬉しい結果となりました。




■POTENTIAL ~言語の壁を叩き割る-

私は、インドに来る前、英語を話すことに大きなコンプレックスを感じていました。趣味で音楽をやっている私は、演奏旅行に行ったり、海外の演奏家と共演したりと、英語に触れる機会は少なからずあるほうでした。そのため、英語の勉強に対してのモチベーションは高く持っていて、TOEICでは目標としていたスコアを取り、英語で日記を書き、英語の本を読み、海外の映画を英語字幕で見て、英語の歌を覚え、外国人の友達と連絡を取り、、、と、自分ができる勉強法はすべてやっているつもりでした。ですが、どうしてもスピーキングが苦手なうえに、周りには英語がペラペラな日本人がたくさんいて、自分で伝えることをあきらめてしまうことも多々ありました。そんな状況を打開したいというのも、今回SHIPに参加した理由の一つでした。

インドに来てからは、良くも悪くも、英語がペラペラな日本人が周りにおらず、一人で仕事をしなければいけないことや、電話をしなければいけないこともあり、なんとしてでも自力でコミュニケーションをとらなければいけない状況に追い込まれました。また、大好きな現地の学生やスタッフにも出会い、もっとこの人たちのことを知りたい!という気持ちが生まれました。そこからは、自分のコンプレックスがどうでもよく感じ、「当たって砕けろ」精神で、通じても通じなくてもいいからとにかく話してみて、通じなかったら少し変えてもう一度話す伝える、という、当たり前のようで自分にとっては難しかったことができるようになっていきました。はじめは完璧な英語を脳内で時間を立てて組み立ててから話して、タイムオーバーになったり、上手く組み立てられなくて伝えることをあきらめることもありましたが、だんだんと正しい正しくないにかかわらず伝えたいことがパッと言葉で出てくるようになりました。

英語を話す力がついたかどうかはわからないですが、英語で言いたいことを伝える力は確実についたと感じます!このタイミングを逃さずに、日本に帰ってからも練習を重ねて、英語を話す力をつけていきたいです!

■SHIPで得られた能力「向き合う力」

初めに言っておくと、7週間という渡航期間は、新しい能力を得るには決して十分な期間ではありませんでした。ですが、「物事に向き合う力」だけはついたと思います。インドという土地で、友達や家族からも離れ、日本で打ち込んでいた趣味からも離れ、スタッフは3人。どんなに大変でも、自分が動いてなんとかするしかないという状況が作られていました。日本では複数のコミュニティーに所属し、複数の趣味も持ち、忙しくも気分転換ができていた私は、インドで逃げ場がなさ過ぎて苦しむことが多々ありました。ですが、とてもしんどかった時、逃げようとせずに向き合うことを始めたら物事がうまく進み始めました。日本では、苦しくなった時にうまく逃げ場をみつけて、周りが解決してくれたり時間が解決するのを待っていたように思います。ですが、インドではそれができないため、結果として「向き合う力」はついたように思います。

■自由記述

ここまで、自分が向き合ってきたことに対して書いてきましたが、SHIPの魅力はそれだけではありません!!

実は、私のインドの思い出の8割くらいはご飯や休日のことです(笑)え?と思うかもしれませんが、数えてみると、私の渡航期間50日のうち平日は32日、また平日24時間のうち仕事は8時間であるため、仕事をしていない時間のほうが長いのです!!

毎日仕事のあとは、スタッフ間で相談して食べたいものを食べに行き、休日には現地の学生と食事や遊びに出かけたり、インドの伝統的なお祭りを解説付きで案内してもらったり、誕生日にサプライズで仲のいい学生たちが来てくれたり、日本企業の駐在員さんの方と会っていろんなお話を聞いて刺激をもらったり、という生活をしていました。渡航中は毎日なにかしらハプニングやイベントがあり、本当に楽しい日々でした!

また、なんでもない時間に一緒に働いているスタッフとくだらない話をしている日常も、同じくらい楽しく、幸せな時間でした!

渡航前は、仕事や英語以外のことは全く考えていなかったですが、一緒に働いたスタッフや現地の学生のおかげで、本当に素敵な日々を過ごすことができました!

■おわりに

今回、私は初めに書いたように 「力試しをしたい!なにか一つのことにのめりこみたい!」というモチベーションでSHIPに参加しました。また、 「グローバル企業でコンサルタントとして働くための力試し」に 「日本人学生とカフェを運営すること」が適しているかどうか、というところでは少し迷いがありました。7週間のSHIPを経験した今、私は自信をもって“力試しができた”と言えます。

仕事はもちろんですが、少人数のスタッフで毎日仕事をして、共同生活をし、ずっと過ごしていく中で、どんなに隠してもお互いの短所は出てきてしまうし、ただでさえストレスの多い環境で、それがより大きく働いてしまうこともありました。そんななか、自分がどのようにふるまい、仕事をこなし、良い空気を作っていくか、社会人として本当に必要な能力が試されました。正直、息が詰まることも多かったですが、仕事はもちろん、自分の短所 ・長所とひたすら向き合うことができた7週間でした。社会人になる前にこの経験をできたことを誇りに思い、就職するまでの残り半年間で今回見つけた課題に向き合っていきたいです。

知るカフェ海外インターン「SHIP」公式ブログ

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